あ・(先頭へ) あおる スタートする時、騎手と馬とのタイミングが合わずに出遅れること。スタートで後手を踏むわけで、不利となる。 あがり : 上がり レースや調教では、最初を 「テン」 、中盤を 「なか」 、終盤を 「しまい」 または 「上がり」 という。 「上がり3ハロン」 といえばゴールから逆算して600メートルのこと。 あがりうま : 上 (昇) がり馬 それまで下級条件に低迷していたのに、急激に調子をあげたり、実力を身につけたりて、短期間のうちに数段上のクラスまで勝ちあがってきた馬のこと。上昇馬ともいう。 あしいろ : 脚色 馬の走りっぷりのこと。余力十分に走っているときは、 「脚色がよい」 、バテ気味のときは 「脚色がいっぱい」 などといわれる。 アラブ アラビア半島の原産で、 「アラブとして血統登録する馬は北はチグリス河、トロス山脈および地中海で区切られた全アラビア半島で生産された馬」 と1884年にフランスで定められた。アラブは頑強で、出走回数も多い。 あわせうま : 併せ馬 調教のときに、2頭以上の馬で並んで走ること。1頭で走るのとちがい闘争心を引き出し、それをかき立てる効果がある。ふつう、能力的に上位の馬、あるいは好調な馬が外側を走る。せり合うので、1頭で走るより速いタイムが出やすい。 いちかんぽ : 一完歩 馬の1回の歩幅のこと。個体差にもスピード差にもよるが、レースで走っているときの一完歩は、平均して7〜8メートルにもなる。 いっぱい : 一杯 余力を出しきった結果、バテて失速すること。 いれる 「入れ込む」 とも。馬が興奮して落ち着かないことだが、レース前に力を消耗してしまうためマイナスとされる。一見気合がのっているようにも見えるため、発汗状態をよく見て、いれ込みかどうかを判断したい。 うまごみ : 馬込み レースで何頭もの馬が一ヵ所にひしめき合った状態。 馬っ気 牝馬のふけに対し、牡馬の発情をいう。パドックで長時間馬っ気を出すのは、競走能力に大きなマイナス。 うまなり : 馬なり レースや調教で、追わない (ムチを使ったり手綱をしごいたりしない) で馬の走る気にまかせること。 「持ったまま」 ともいい、基本的には余力を十分残している状態をさす。 おう : 追う 馬に全能力を出させるため、騎手が手綱を一杯にしごくこと。 おりあい : 折り合い 騎手と馬との呼吸の調和状態。人馬の呼吸がうまく合っているときは、 「ピタリと折り合いがつく」 などという。これに対して、呼吸が合わず、ちぐはぐな状態を 「かかる」 という。 か・(先頭へ) ガレる 疲れがたまって体重が減り、気づやも冴えず体調が低下していること。何かの理由でエサを食べなくなり体が細くなったときに 「ガレている」 ともいう。 カンカン 看貫。馬が背負う負担重量のこと。検量室は 「カンカン場」 。重量に敏感でレースに苦戦する馬を 「カンカン泣きする」 という。 カンパイ スタートのやり直しのこと。競馬の草創期、外人スターターの 「カムバック」 を聞き違えたまま定着したもの。 くちとり : 口取り はみと騎手の手綱をつなぐリング状の金具に、もう一つ別の綱をつけて馬の口を取り、発馬機内に誘導したり、暴れそうな馬を抑えたりすること。また、優勝の記念撮影を行うときにも馬の口を取るので、その記念撮影をさして 「口取り」 ということもある。 くちむき : 口向き はみ受けの状態のこと。 「はみ」 は騎手と馬の大事な接点で、騎手は 「はみ」 につながる手綱を通して 「行け」 「止まれ」 などの合図を馬に送る。これは、手綱の微妙な操作によって行われる。口向きをよくするための調教は、最も大切なこととされている。 こずみ 筋肉痛や筋炎のこと。 「コズんでいる」 というのは、動きがスムーズでなく歩行がぎこちない状態。悪化すると、時には動けなくなることもあり、これを 「スクミ」 と呼ぶ。 「 跛行 (はこう) 」 は肩、骨、関節、筋肉、神経などの痛みが原因で歩行に異常をきたしている状態。 こば : 古馬 一般には3、4歳馬に対し5歳以上の馬のことをいう。 さ・(先頭へ) ささばり : 笹針 こずみのひどい馬や、疲れが出て肩や腰に鬱血し、跛行のひどい馬などに行う乱刺手術。笹の形に似たメスで局部あるいは全身に乱刺し悪い血をだすもの。 ささる レースや調教中に突然、内に斜行すること。ムチを入れるとそうなることが多い。反対に外に斜行するのは 「もたれる」 という。どちらも気性の悪い馬や若駒に多く見られる。 差し 先行馬群を射程距離内において、最後の直線で勝負を決めるタイプ。この差し馬よりもさらに後方にいて、直線一気にやってくるのが 「追い込み馬」 である。 さんぶさんりん : 三分三厘 ゴールまで660メートル、あるいは600メートルの地点とか、ゴールまでの距離が全距離の約3分の1の地点とか、さまざまな説がある。いずれにせよ、3〜4コーナーの中間附近の勝負どころの意。 しかける : 仕掛ける レース中、いよいよ勝負どころと判断した騎手が、馬に気合いを入れてスパートすること。 「仕掛けるのが早かった」 などという。調教では馬の走る気にまかせてまわってきて、ゴール前で軽く気合いをつけることを仕掛けるという。 しゃがんかく : 遮眼革 レース中、他の馬に気を使ったり、何かに驚いたりして能力を発揮しない馬がいる。遮眼革とは、そういう馬に全能力を競走に振り向けさせる、前方しか見えないようにつくられた革製の装具のこと。 シャドーロール レース中に自分の脚元 (脚の動き、物の影、芝の切れ目など) が気になり驚いたりする馬がいる。シャドーロールは羊の毛でつくられた太いモールの装具で馬の鼻の上につけ脚元を見えなくして、全能力を競馬に集中させるためのもの。 じり脚 一瞬の鋭い脚はないが、バテずにじわじわと伸びてくるタイプ。いつも2、3着には来るが、勝つまでに至らないケースが多い。 すえあし : 末脚 直線で入ってゴール間近で見せる脚勢。 「終いの脚」 とも。 「鋭い末脚」 「あの馬は末脚がいい」 などと使う。 ステイヤー 長距離レースを得意とするタイプ。長距離とはふつう2000メートル以上。 ズブい エンジンのかかりの遅い馬で、レース中、騎手が追っつけどおしでないと追走に苦労するような馬のこと。ペースの短い短距離戦には不向きである。また、古馬 (一般に5歳以上の馬) になるにつれてズブさがでてくる馬も多い。 スプリンター 1400メートルくらいまでの短距離レースに強い馬。持久力よりもスピードを武器とするタイプ。 せめうま : 攻め馬 馬の調教のこと。競走馬はこれによってコンディションを仕上げ、レースにのぞむ。ほとんど毎日行われるが、最後の仕上げはふつうレースの3日前に行われ、これを特別に 「追い切り」 という。攻め馬や追い切りのタイム、状態の良し悪しは馬券を検討する上で重要なポイントになる。 先行 逃げ馬ほどはっきりした脚質ではないが、常に先頭集団4〜5番手までにつけて直線で抜け出しをはかるタイプ。 せんつう : 疝痛 腹痛のことで、馬の病気では最も多いが、重い場合は命とりにもなる恐い病気。 せんば : 騙馬 去勢された馬のこと。競走能力は認められているのに非常に気が悪く、反抗的で成績の上がらない牡馬 (ぼば : オス馬のこと) は、去勢すると性質も従順になって、成績が上がることがある。 そえ 管骨瘤のことで、前肢の管骨部内側、上から3分の1のところにできやすく、腫れて盛り上り、跛行の原因となる。若馬の場合は過度の調教でよくそえが出るが、脚をぶつけた場合や、装蹄の失敗によっても出ることがある。 ソラをつかう : ソラを使う レース中や調教時にふとしたことで馬の気が散り、走りに集中力を欠くこと。 た・(先頭へ) ダク 速歩。前脚を高くあげて足早に走ること。 「ダクが出ない」 というのは、前脚をスムーズに運べない状態。 つつまれる レース中、馬群に入ってしまい動きがとれなくなること。 「馬ごみ」 や 「ポケット」 に入るともいう。実力馬が力を余して負けるケースであり、多頭数では要注意。 てっぽう : 鉄砲 比較的、長期の休養明けでレースに出ること。このような場合にレースを使うことを 「鉄砲使い」 といい、そうしたレースでよく好走する馬を 「鉄砲のきく馬」 という。 てまえ : 手前 馬が走るとき、つねに前に出すほうの脚。人間に “右きき” “左きき” があるように、馬にもそれがある。いわば人間でいうなら、きき腕のこと。左の前脚よりも、右の前脚をつねに前に出して走ることを、 “右きき” つまり 「右手前」 という。その逆が 「左手前」 。ふつうはどちらでもこなすが、なかには先天的に “右きき” とか “左きき” という馬もいる。直線コースからカーブにかかるとき、不器用な馬は手前を変えそこなって骨折することがある。 テン 最初とか、真っ先とかの意で、 「テンの半マイル」 、 「テンに追う」 などという。 「テン乗り」 というのは、騎手がその馬に初めて乗ること。 とも 後躯 (馬の体の後ろの部分。尻、尾、股、後肢を含めて呼ぶ) のことだが、一般的には後肢をさして 「とも」 と呼ぶことが多い。 トラックマン 競馬関係紙の記者で、レースの予想・記事を書くためにトレーニング・センターや競馬場で、朝早くから馬の調教を観察したりタイムをとったり、厩舎関係者に馬の調子を取材したりする人のこと。 な・(先頭へ) 逃げ スタートと同時に飛び出して先頭に立ち、うまく自己のペースにもちこんで 「逃げ切り」 を狙う脚質。単騎っで逃げた場合はよいが、同型馬がいる場合は競ってペースが乱れ、共倒れになるケースが多い。 にそうボケ : 二走ボケ 休養明けを好走して人気になった馬が、二走目で凡走すること。好走で反動が出るのか、このようなケースがある。 は・(先頭へ) はなをきる : ハナをきる 先頭に立って逃げること。 「逃げ馬はハナがきれないとモロい」 などという。 ハミ (銜) にかかる ハミは馬の口に噛ませる器具で、手綱を通し騎手の意志を伝える重要なもの。これがしっかり口に収まれば、馬はレースで全力を出すことができる。 「今日はうまくハミにかかった」 などという。 ハロンタイム レースの200メートルごとの所要タイム。つねにその時点で先頭に立っている馬を基準に計測する。ふつうはスタートから200メートルごとに計測するが奇数の距離のレースは、最初の100メートル地点から200メートルごとに計測する。 ふくれる コーナーで大きく外側を回ること。他馬のためやむをえない場合と、悪癖による場合とがある。 フケ 牝馬 (ひんば : メス馬のこと) が発情した状態のこと。 「フケる」 などという。 ほうば : 放馬 極度に興奮した馬が、騎手を振り落としたりして、勝手に逸走してしまうこと。返し馬 (発走直前のウォーミングアップ) のときにとくに起こりやすい。 ほうぼく : 放牧 競走馬をレースや調教で走らせないで、牧場に帰してやり、自由気ままな生活をさせること。脚の故障を治療した後のリハビリや、夏のあいだ、涼しい北海道で春の戦いの疲れをいやすために 「放牧」 が行われる。リフレッシュの効果は大きく、放牧から復帰して見違えるように強くなる馬もいる。 ま・(先頭へ) ものみをする : 物見をする 不意にささいな何かに驚いて騒いだり、止まってしまったり、横に飛んだりする動作やクセをいう。レースのときに、ハロン棒の影に驚き、異常な動きを見せる馬もまれにいる。 ら・(先頭へ) らくてつ : 落鉄 蹄鉄が外れ落ちること。完全に落ちなくても、釘がゆるんで外れかけている状態ならばいちおう 「落鉄」 と呼ぶ。 ラチ : 埒 コースの柵のこと。内側の柵を 「内ラチ」 、外側の柵を 「外ラチ」 という。 れってい : 裂蹄 蹄が乾燥のしすぎなどでひび割れてしまうこと。冬に多い。夏には活躍するのに冬はサッパリ、などという馬は、この裂蹄が原因であることが多い。 連闘 二週続けてレースに出ること。ふつうは疲れを恐れて避けるが、太目残りや気合不足で凡走したときなど、連闘で好走するケースがある。 |